私はこれまでmalvaを通じてたくさんの子供たちを見てきました。それぞれに得意なところ、苦手なところがあって、どの子もみんな個性があり、可能性に溢れていました。
malvaはサッカースクールなので、当然、サッカーの技術を上達させます。しかし、もっと大切なのは、サッカーというスポーツを通じて、子供たちが自分自身と向き合い、相手をよく理解し、どんな状況でも自ら考えて行動できる「人間力」を身につけさせてあげることだと考えています。
まだまだ多くの指導者は、「自分たちの正解」を押し付けてしまっているように感じます。子供の数だけ個性があり、それぞれの正解があります。指導者はそれぞれの可能性を見いだし、引き出してあげるように努めるべきです。
malvaという環境が、これからも多くの子供たちの可能性を引き出し、人間的な成長の場となれるように、大切な「基本方針」を以下にまとめました。
大人の時間(思い・基準)で考えると、 早く成長してほしい、良くなってもらいたい、すぐ出来るようにしたい。と考えてしまいがちですが、子供の上手くなっていくタイミングはそれぞれ違います。
malvaでは、できるだけ大人の時間を押し付けず、それぞれの子供の時間(タイミング・気持ち)で考えることを大切にしています。
一人ひとりの表情の変化、雰囲気の違いを見逃さないように、その子のその時の気持ちを考えてコミュニケーションを取るようにしています。
点を取りたいのか、パスをしたいのか、子供のプレーの「こうしたい!」を、しっかり見抜いて、聞いて、コーチがその意図を理解して、シュートやパスの方法を提案するようにしています。
子供が「こうしたい!」と思った瞬間が成長できる最大のチャンスです。たとえその結果ボールを取られたとしても自ら挑戦したことで多くの気づきを得ることができます。
もっと良くしたい、伸ばしたい、上手くなりたいと感じるように働きかけます。1回1回のトレーニングでそれぞれが何かを掴み、成長できるように意識させます。
なんでその方法を選んだの?と問いかけ、考える習慣を定着させます。結果ダメだったとしても、次へつながる向上心が備わります。
こういう方法はどうかな?と新たな選択肢を与え、子供たちの視野を広げ、より良い方法を選択する力を育みます。
言葉だけではなく、良いイメージを残すためにポイントになるところはプレーを見せます。良いプレーを見せることでイメージが膨らみ、やってみようとチャレンジにつながります。
良いプレーを見て、すぐに真似をする(真似ぶ)ことが上達の最大の近道です。malvaのコーチングでは、このデモンストレーションのタイミングと魅せ方を徹底的にこだわっています。
一人ひとりに合った声掛け、接し方、表情を意識してコミュニケーションをとります。
一人ひとりに考えがあり、チャレンジにもそれぞれの視点があります。こちらの伝えたいことを伝えるだけではなく、個性や性格をしっかり見抜くようにします。
一人ひとりが独特の感覚を持っています。その個々の感覚がやがてその子の強さになって行くので、個性をしっかり理解し、大切に育むことを常に意識しています。